はじめに
皆さん、こんにちは。
久しぶりのブログ更新なのですが、以下の記事が気になりまして取り上げたいと思います。
この記事は、「日本人の勝算」という書籍の著者である、デービッド・アトキンソンさんへのインタビュー記事です。
日本経済に関して非常に詳しく調査している方ですね。
日本の賃金の低さは世界先進国内でも有数
記事内部では、日本の賃金の低さが指摘されています。当然、賃金が低ければ、消費できる金額も制限されますから経済が活性化されるはずはありません。
色々と理由はあると思いますが、記事内では以下が原因の1つと述べています。
日本では社員20人未満のミクロ企業で働く労働人口の比率が、途上国並みに高いという事実です。これに尽きます。
時給「1000円ぽっち」払えない企業は潰れていい | 国内経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
日本のサラリーマンの格差に関しては昔から議論されている通りです。一部の大企業は優遇される一方で、中小企業への支援が乏しいとの指摘です。最近は正社員になるのも難しくなってきていますね。(派遣社員としての雇用が増大)
上記の指摘によると、日本の賃金を底上げするには大企業というよりも小さい企業が対応を迫られるわけですね。
そもそもなぜ最低賃金の底上げが必要か?
これは人口減少を理由に挙げています。働き手は将来的に減るのは確実ですので、現状の経済活動を維持するには1人あたりの生産性を向上させる必要があります。
つまり、一人一人のアウトプットを増やすということですね。これを実現するために、小さい企業の統合を行うことでリソースの集約化を進めるべきというのは著者の提案の1つです。
国際的に非常に低い日本の最低賃金に安住している生産性の低い企業が、日本全体の給与水準を下げ、全体に悪影響を及ぼしているからです。
こういう企業では、優秀な人材が真面目に働いているにもかかわらず、不適切に安い給料しか払っていません。なぜなら生産性が低すぎるので、正当な賃金を支払うと企業として存続できないのです。逆に言うと、不当に低い給料しか払っていないからこそ、なんとか企業として存続できているとも言えます。
最低賃金を上げることはあくまでも手段にすぎません。生産性の低い会社を動かすことが目的であることを理解する必要があります。
記事では上記のようにも述べられています。最低賃金を上げるという行為の真の目的は、「生産性の低い会社の現状を変える」という意味とのことです。
当然のように反発も!?
とはいえ、簡単に最低賃金を上げることはかないません。
記事内でも、日本商工会議所が猛反発しているという話があがっています。理由は以下の3つとのこと。
(1)最低賃金がそれほど高まると、倒産する中小企業が続出する
(2)従業員の雇用を守るためには、長期にわたって安定的な経営をすることが重要
(3)そもそも、賃金は企業の経営者が判断するべきで、最低賃金といえども政府の介入は最小限にするべき
これを見てどう思いますかね。著者は「現状の最低賃金でしか経営できない会社は倒産してしまえばよい」と述べています。
私もそう思います。ビジネスする上で、現状の最低賃金に依存しすぎだと思います。賃金を低くしないと長期的な安定経営ができない会社ってどうですかね。。普通に考えて。。
勿論、一部業界では安い労働力により支えられているのも事実だと思います。特に飲食業界とかはそうでしょう。
しかし、この業界こそ改善が求められているはずです。人口減少により働き手が減ってくれば、賃金を上げて募集を行うしかありませんから。
その際に、耐えられるような経営をする必要があります。(今、非常に安い価格で食事をすることができるのは素晴らしいことですが、背景には、低賃金労働者により維持されているわけですね)
まとめ
今回は、これと言って答えがある内容でもありません。とらえ方は人それぞれかと思います。
記事の趣旨とは異なるかもしれませんが、確実に人口減少が進んでいく以上日本の経済規模が小さくなる可能性は非常に高いです。
働き手がいない、消費する担い手もいない。そんな時代が来る日がきたらどうなるか、、そういうことも考えた記事でした。