購入対象銘柄を決める際や、全体として相場の状況が今どうなっているかをさくっとしるために株価指数を用いる方は大勢いるかと思います。
あまり意識していないという人でも、ニュースで日経平均、NYダウ などの言葉は良く聞くのではないでしょうか。
私は購入を検討している銘柄が、株価指数と比較して値動きがどうなっているかとかも良く見ます。市場が上昇しているのに、その銘柄は下落しているようであれば、懸念を抱くという感じですね。(よくベータ値と言われるものですね。)
この株価指数ですが、計算方法によってタイプが分かれます。何事もですが、1つの値ですべてを表すことはできませんので、何かしらのルールに基づいて集約されるわけです。計算方法により特徴も決まりますので、株価指数の計算方法を知っておくのは重要なことだと思い取り上げます。
株価指数の計算方法は大きく2種類
株価指数の計算方法は大きく以下に分かれます。
- 株価平均型
- 時価総額加重型
それぞれ、どのような特徴があるか見ていきましょう。
株価平均型~株価の連続性を維持するための「除数」について~
株価平均型を採用している代表的な銘柄は、日経平均株価指数や、NYダウ工業株30種などになります。
計算方法ですが、指数を構成する銘柄の株価の合計金額を「除数」で割って算出しています。除数は株価平均を算出する際に、市況変動によらない価格変動を調整して、連続性を維持するためのものです。
端的に言えば、「指数を構成する全銘柄の株価の平均値」と覚えておけば問題ありません。
ちなみになぜ「除数」という概念が生まれるかというと、株式分割や銘柄入れ替え等が発生しても指数に影響を与えないようにするためです。
例で考えてみましょう。
- A株株価 1,000円
- B株株価 500円
- C株株価 1,500円
上記の場合、株価平均を求めると 1,000 ( {1,000 + 500 + 1,500} ÷ 3 ) となります。
ここから、A株が株式分割を行ったとしましょう。1株の価格が高くなりすぎた場合など、より多くの方に購入してもらうため分割するということは良くあります。今回は、1対2の株式分割と想定しましょう。これにより、A株の株総数が2倍になります。そのため、1株の価値は1/2となるわけです。よって、A株の株価は500円となります。
さて、この状態で株価平均を求めると、833 ( {500 + 500 + 1,500} ÷ 3 ) となります。
これ指数としてどうでしょうか? となる企業が株式分割を実施したとたんに、指数が大きく下落しました。特に景気が後退したわけでもないのにです。
これは混乱を招くということで、株式分割の前後で指数に影響が出ないようにする必要があります。
ということで、1つの方法として「除数」、割る数を調整しています。
例えば株価平均1,000 を維持するためには、2500 ( {500 + 500 + 1,500} ) ÷ 1,000 ( {1,000 + 500 + 1,500} ÷ 3 ) = 2.5 という数字を分母に利用します。要は、株式分割後の株価の合計を株式分割前の指数の値で割ることで何で除算すれば数値の連続性が維持できるかを算出しているということです。
ちなみに、日経平均の「除数」の値は以下で確認できます。銘柄数は225ですが、かなり小さくなっていますね。(仕組み上、当初は225だったはず。)
時価総額加重型
時価総額加重型を採用している代表的な銘柄は、TOPIX(東証株価指数)や米国のS&P500指数です。
時価総額ということで、前述の株価に注目している計算方法と異なり、株価 x 発行株式数 = 時価総額 の推移を追うことができます。
また、時価総額加重平均型では基準日を定めて、基準日の時価総額の合計と比較して示す指標になります。
ちなみに、TOPIXは1968年1月4日が基準日になっており100ポイントが基準となります。2020年1月現在、1735ポイントです。
指数の連続性を維持する仕組みも導入されている点は株価平均型と同じです。
それぞれの指数の特徴
株価平均型は株価が高い銘柄の影響を受けやすい
株価平均型の計算方法上、株価が高い銘柄の影響が大きくなります。これを寄与度といいます。
寄与度が大きい銘柄には、ソフトバンクやファナックが挙げられます。そのため、他の銘柄と比較してこれら寄与度が高い銘柄が大きく動くと指数にも影響が出やすくなります。
時価総額加重型は時価総額が大きく銘柄の影響を受けやすい
はい。こちらは逆に時価総額の影響が大きくなります。トヨタ自動車などは筆頭ですね。
時価総額の大きいTOP50銘柄で東証1部の時価総額の半分を占めているため、上位銘柄の株価変動が与える影響は大きくなります。
まとめ
ということで、今日は株価指数の計算方法に関してでした。
指数は市場の状態を素早く把握するのに便利なものですが、その特徴も知っておくべきでしょう。